
朝起きたときに顎が重い、痛い。歯がすり減ってきた気がする。詰め物や被せ物がよく外れる。家族から「歯ぎしりしているよ」と言われたことがある。こうした症状に心当たりがある方は、就寝中の歯ぎしりや噛みしめが原因かもしれません。
歯ぎしりを放置するとどうなる?
歯ぎしりを放置すると、歯の表面がすり減って知覚過敏や歯の破折を招くだけでなく、顎関節への負担から痛みや開口障害が生じることもあります。さらに顎の筋肉の緊張は肩や首、頭にまで波及し、肩こりや頭痛といった全身の不調につながることも少なくありません。歯や顎だけの問題にとどまらないのが、歯ぎしりの怖いところです。
こうしたダメージへの有効な対策が「ナイトガード」です。
ナイトガードとは?保険適用・費用の目安

ナイトガードとは、就寝中に上または下の歯列に装着するマウスピース型の装置です。歯科医院でお口の型を取り、一人ひとりに合わせてオーダーメイドで作製します。保険適用で作ることができ、費用は3割負担でおよそ5,500円が目安です。歯ぎしりや噛みしめによる力を分散し、歯のすり減りや破折、顎への負担を軽減する効果があります。
ナイトガードの5つの役割・効果
ナイトガードには主に5つの役割があります。
- 歯の摩耗を防ぐ:歯と歯の間でクッションの役割を果たし、摩擦によるすり減りを軽減します。
- 前歯を保護する:力に弱い前歯への負担を分散させ、破損のリスクを減らします。
- 顎の筋肉の緊張を和らげる:就寝中の歯ぎしりで疲労する筋肉への負担を軽減し、朝の痛みや不快感を改善します。
- 顎関節症の悪化を防ぐ:顎関節へのストレスを和らげ、症状の進行を抑えます。
- 開口障害の治療をサポートする:顎への負担を減らすことで、顎の動きの改善が期待できます。
それぞれ目的は異なりますが、歯や顎への負担を分散させて症状の進行を防ぐという点は共通しています。
ナイトガードの正しいお手入れ方法

ナイトガードを長く清潔に使うためには、日々のケアが欠かせません。使用後は柔らかい歯ブラシと水でやさしく洗浄し、タオルで水気を拭き取ってから風通しの良い場所でしっかり乾燥させましょう。湿ったまま保管すると細菌が繁殖しやすくなります。
熱に弱い素材のため、熱湯での洗浄や直射日光の当たる場所への放置は変形や劣化の原因になるので避けてください。甘い飲み物やお菓子を摂った後は、口をすすいでから装着すると虫歯予防にもつながります。専用洗浄剤も使いすぎると素材が傷んで変色することがあるため、用法を守ることが大切です。
変色・劣化のサインが出たら?歯科医への相談タイミング
使い続けるうちに、変色やフィット感の変化に気づくこともあるでしょう。表面がザラザラしてきたり亀裂が見られたりした場合は、使用を中止して早めに歯科医に相談してください。フィット感がなくなったまま使い続けるのも禁物です。歯の状態は少しずつ変化していくため、定期的に歯科医院でチェックと調整を受けることをおすすめします。
ナイトガードとスポーツマウスガードの違いは?兼用できる?

マウスピース型の装置には「スポーツマウスガード」というものもありますが、目的はナイトガードとまったく異なります。スポーツマウスガードは運動中の衝突や転倒による外傷から歯や顎、頭頸部を守るためのもので、歯の破折・外傷の予防はもちろん、脳震盪の予防・軽減や、噛み合わせの安定による運動能力の向上といった効果も期待されており、格闘技やコンタクトスポーツでは装着が義務づけられています。
求められる強度や設計が異なるため、歯ぎしり対策とスポーツ用を兼用することはおすすめできません。それぞれの用途に合わせて別々に作製しましょう。
まとめ

朝の顎のだるさや歯のすり減りが気になる方、デスクワークやストレスで無意識に噛みしめてしまう方は、症状が進む前に一度当院までご相談ください。毎日のお手入れと定期的な受診を組み合わせることで、ナイトガードの効果を最大限に引き出すことができます。
