「せっかく治療したのに、また歯が痛くなってきた…」そんな経験はありませんか?特に虫歯治療をした方の中には、「詰め物をした部分が再び虫歯になった」と感じる方も少なくありません。
虫歯は一度治療したからといって安心してしまいがちです。しかし適切なケアを怠ると再び虫歯が進行してしまうこともあります。今回は、虫歯が再発する原因や治療後に注意すべきポイント、そして予防法について解説します。
再発した虫歯「二次カリエス」とは?
二次カリエスとは治療済みの歯に再び虫歯ができる状態です。詰め物と歯の間にできたわずかな隙間から細菌が侵入し、内部で虫歯が進行することがあります。他にも、詰め物の劣化や新たな虫歯の発生、日々のケア不足など、さまざまな要因が関係します。実際、多くの人がこの再発を経験しており、特に見た目では分かりにくいだけに、注意が必要です。
虫歯が再発する主な原因
虫歯の再発には、いくつかの要因があります。
まず挙げられるのが、詰め物と歯の間にできるわずかな隙間です。治療直後はしっかり密着していますが、時間の経過とともに接着剤が劣化したり、噛み合わせのズレが生じたりして隙間ができてしまいます。そこに細菌が侵入することで、虫歯が再発するリスクが高まります。
また、治療済みの歯の周囲に新たな虫歯ができるケースもあります。さらに、詰め物自体が劣化したり、破損したりすることも再発の原因になります。
そのほか、日々の歯磨きが不十分なことや、詰め物の噛み合わせが合っていない場合も要注意です。加えて、神経を抜いた歯の根の中で炎症が再発するケースもあります。特に根管治療を受けた歯は内部がもろくなりやすく、見た目では異常に気づきにくいため、より丁寧なケアが求められます。
見えないところに潜むリスク:歯根のトラブル
虫歯の再発と並んで注意したいのが歯根のトラブルです。特に神経を抜いた歯は、治療直後に痛みがなくなっても、数ヶ月から数年後に再び炎症を起こすケースがあります。
例えば、根の中に細菌が残っていたり、新たに侵入することで炎症を引き起こす根尖病巣(こんせんびょうそう)が代表的です。歯ぐきの腫れや、押すとジンジンする痛み、膿が出るといった症状が現れます。
また、神経を抜いた歯はもろくなりやすく、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯根にヒビが入り、そこから細菌が侵入するケースもあります。症状が進行すれば、最終的に抜歯が必要になることもあるため、早期の発見と対処がカギです。
再発や痛みを防ぐ6つの対策
では、治療後の歯を守るためにはどうすればいいのでしょうか?以下のポイントを意識してみてください。
1. 定期検診を受ける
3〜4ヶ月に1回の定期的な検診で、詰め物の劣化や隙間の有無をチェックしてもらいましょう。
2. 丁寧な歯磨き習慣を身につける
特に詰め物の境目は汚れが溜まりやすい部分です。電動歯ブラシやヘッドの小さい歯ブラシを使うのもおすすめです。
3. フロスや歯間ブラシの活用
歯と歯の間のケアは歯ブラシだけでは不十分です。フロスや歯間ブラシで補いましょう。
4. フッ素入り歯磨き粉の使用
フッ素には歯の再石灰化を助ける効果があります。毎日のケアに取り入れることで再発リスクを抑えられます。
5. 素材選びにこだわる
再治療の際には、セラミックや高密着の樹脂素材など、虫歯再発のリスクが低い素材を選びましょう。
6. 違和感があればすぐに相談を
噛んだときの痛みや違和感を感じたら、自己判断せず歯科医に相談することが大切です。
まとめ:治療後こそが予防のスタートライン
虫歯は治療して終わり、ではありません。むしろ、治療後こそが歯を守る本当のスタートです。 再発を防ぐためには、日々のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。
小さな違和感を見逃さず、早期発見・早期対処することが、歯の寿命を延ばすカギになります。治療した歯を長く健康に保つために、今日からできることを始めてみませんか?