虫歯治療の後、削った部分を補うために使用される詰め物(インレー)。「どのような流れで治療が進むのか?」「どの詰め物を選べば良いのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、インレー治療の流れと詰め物の種類の違いについて詳しく解説します。最適な選択をするための参考にしてください。
インレー治療の流れ
1. 診断
まずは、レントゲンを撮影し、虫歯の進行具合や歯の状態を詳しくチェックします。レントゲンを使うことで、目に見えない部分の虫歯や歯の内部の状態を正確に診断することが可能です。軽度の虫歯であればレジンというプラスチックを詰めるだけの治療で済む場合もあります。しかし、虫歯が深い場合や隣接する歯に広がる虫歯は、より強度の高い詰め物を使った治療が必要です。
2. 虫歯の除去
虫歯がある場合は、まず虫歯部分を削って除去します。虫歯を取り残してしまうと、再発のリスクが高まるからです。この時、健康な歯をできるだけ多く残しながら詰め物がしっかりと収まる形に整えます。また、虫歯が広範囲に及んでいる場合は、インレーではなくクラウンによる治療が必要になることもあります。インレーでは強度が不足するからです。
3. 型取り
削った部分の形を整えた後、正確な型取りを行います。これは、患者さんの歯にぴったりと合う詰め物を作るために欠かせない工程です。従来は、柔らかい印象材を使い歯型を取る方法が一般的でした。しかし、近年ではデジタルスキャナーを使用するケースも増えています。デジタルスキャナーを用いることで、より精密なデータを取得できるだけでなく、患者さんの負担を軽減することができます。デジタルスキャナーは今後当院でも導入予定です。
4. 噛み合わせの確認
詰め物が正しくフィットするように、慎重に噛み合わせを確認します。この工程では、歯の接触具合や噛む際の圧力を測定し、自然な噛み心地を実現できるように調整します。もし噛み合わせにズレがあると、食事の際に違和感を感じるだけでなく、顎関節への負担が増し、頭痛や顎の痛みの原因になることもあります。そのため、噛む力のバランスを細かく調整し、適切な位置で均等に噛めるように仕上げます。
5. 詰め物の作製
型取りしたデータをもとに、歯科技工士が精密な詰め物を作製します。詰め物の素材には、金属、セラミック、レジンなどさまざまな種類があり、患者さんの希望や治療計画に応じて選択されます。セラミックは自然な白さと透明感があり、審美性に優れているため見た目を重視する方におすすめです。一方で、金属は強度が高く、特に奥歯など噛む力が強くかかる部分に適しています。
6. 試着・調整
完成した詰め物を実際に歯に当てて、フィット感や噛み合わせを慎重にチェックします。詰め物が適切に収まっていないと、噛む際の違和感や圧迫感が生じることがあるからです。この段階で細かく確認し、必要に応じて微調整を行います。
7. 装着
最終調整が完了したら、詰め物をセメントでしっかりと固定します。これにより、歯と詰め物が一体化し、見た目も自然でしっかりと噛めるようになります。装着直後は、セメントが完全に硬化するまで時間がかかるため、少なくとも30分から1時間程度は飲食を控えることが大切です。
インレーの種類と違い
銀色インレー(保険適用)
保険適用の詰め物である銀色インレーは、金属製の詰め物で、費用を抑えて治療を受けられるのが大きな特徴です。また強度が高いため奥歯の詰め物としても十分な耐久性を持っています。しかし、銀色のため見た目が目立ちやすく、前歯など審美性を重視する部位にはあまり向いていません。また、金属アレルギーを引き起こす可能性があるため、体質によっては注意が必要です。
保険適用の白いインレー(レジン・CADCAMインレー)
この詰め物は審美性を重視する方に適しています。見た目が自然で、周囲の歯と違和感なくなじむからです。金属を一切使用していないため、金属アレルギーのリスクがなく、体に優しいのも大きな特徴です。しかし、強度が金属よりも弱く、汚れがつきやすく、変色しやすいデメリットがあります。
自費の白いインレー(セラミック・ジルコニアインレー)
セラミック・ジルコニアインレーは変色しにくく、長期間使用しても白さを保ちやすいというメリットがあります。また、保険の白いインレーより汚れもつきづらく、強度も高いです。奥歯(小臼歯や大臼歯)で見た目を気にする方にとって、人気の高い選択肢となっています。ただし、セラミックは強い衝撃が加わると割れることがあるため、強く噛むことが多い奥歯の治療には注意が必要です。
どの詰め物を選べばいい?
費用を抑えたい場合は、保険適用の銀色インレーが最も経済的です。強度も十分に確保できるため、奥歯の治療に適しているからです。ただし、銀色のため見た目が気になることがあります。金属アレルギーの原因となる場合もあるため、注意が必要です。
見た目を優先したい場合は、白いインレーが理想的です。自然な歯の色に近い状態で治療が行えるからです。保険と自費のインレーでは変色のしやすさ・強度・汚れのつきやすさに違いがあります。それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
まとめ
虫歯治療後の詰め物(インレー)は、選ぶ種類によって見た目や耐久性、費用が大きく異なります。どの選択がベストか迷ったら、歯科医に相談することをおすすめします。