年齢を重ねると、歯や口の機能が衰え、食事や会話がしづらくなることがあります。特に「オーラルフレイル」と呼ばれる口の衰えは、健康寿命にも大きな影響を与えるため、早めの対策が重要です。
しかし「歯を1本でも多く残すためにはどうしたら良いか」や 「高齢者に起こるお口のトラブルが分からない」と 疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、高齢者の歯と口の変化、オーラルフレイルの兆候、そして予防方法について詳しく解説します。
高齢者の口腔環境の変化とは?
日本人の80歳時点での平均残存歯数は約11本とされ、多くの方が歯を失うリスクを抱えています。年齢とともに、次のような口腔の変化が起こります。
(1) 歯の摩耗
長年の使用により歯の表面がすり減り、噛み合わせが変化して咀嚼機能が低下します。これにより、顎への負担が増して食べ物をしっかり噛めなくなることがあります。
(2) 歯根の露出
加齢により歯茎が下がると、知覚過敏や虫歯のリスクが高まります。エナメル質に覆われていない歯根が露出するからです。適切なブラッシングやマッサージで歯茎を健康に保つことが大切です。
(3) エナメル質・象牙質の劣化
歯の表面を守るエナメル質は年齢とともに薄くなり、ひび割れや欠けが生じやすくなります。これにより虫歯や歯周病のリスクが高まるため、定期的な歯科検診が重要です。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは、加齢によって口の機能が衰え、食事や会話が困難になる状態です。栄養不足や筋力低下が進み、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
オーラルフレイルの主な兆候
以下のチェック項目に該当するものが多い場合、オーラルフレイルの可能性があります。
- 「パ・タ・カ・ラ」と、はっきり発音できるか確認する。
- 食事中にむせることが増えていないかチェックする。
- 食べこぼしが増えていないか確認する。
- 口の乾燥を感じることが多くなっていないか確かめる。
これらの症状がみられたら、早めに対策を始めることが大切です。
唾液の重要性と分泌を促す方法
唾液は口の乾燥を防ぎ、細菌の増殖を抑える重要な役割を担っています。しかし、高齢になると唾液の分泌が減少し、虫歯や歯周病のリスクが増します。
以下の方法で唾液の分泌を促しましょう。
- こまめに水分補給する。水や緑茶がおすすめです。
- 噛み応えのある食品を取り入れ、食事中はしっかり噛む
- ガムを活用する。無糖ガムがおすすめです。
- 口のマッサージをする。頬を軽く揉んだり、舌を動かす運動を取り入れると良いです。
また、糖分の多いジュースや炭酸飲料は口腔環境を悪化させるため、できるだけ控えましょう。
健康な歯を維持するための習慣
オーラルフレイルを防ぐためには、日々の習慣が重要です。次の4つのポイントを意識しましょう。
(1) バランスの取れた食生活
栄養の偏りは口腔機能の低下につながります。バランスの取れた食事を目指しましょう。
- タンパク質(魚・肉・豆類)を積極的に摂取する
- カルシウム・ビタミンDを意識して取り入れる
- 噛み応えのある食材を取り入れ、しっかり噛む習慣をつける
(2) 適度な運動
全身の筋力を維持することは、口の機能にも影響を与えます。
- 首や肩のストレッチを取り入れる
- 口周りの筋肉を鍛えるために、発声練習や顔のストレッチを行う
(3) 社会的なつながりを大切にする
日常的に会話をすることは、口の筋力維持に役立ちます。
- 家族や友人との会話を増やす
- 音読やカラオケを取り入れる
- 地域の活動や趣味のサークルに参加する
(4) 口腔ケアの徹底
- 正しい歯磨きを習慣化する(フッ素入りの歯磨き粉を使用)
- デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、歯と歯の間の汚れを除去する
- 3〜4ヶ月に一度は歯科医院を受診する
入れ歯を使用している方は、専用のブラシや洗浄剤で清潔に保ち、違和感があれば歯科医に相談しましょう。
まとめ:オーラルフレイルを防いで健康寿命を延ばそう!
健康な歯と口を維持するためには、毎日の歯磨きと適切なケアを心がけることが大切です。また、バランスの取れた食生活を意識し、しっかり噛む習慣を身につけることも重要です。さらに、適度な運動を取り入れて口周りの筋肉を鍛え、会話を増やして社会的なつながりを持つことも口腔機能の維持に役立ちます。そして、定期的な歯科検診を受けることで、虫歯や歯周病を予防し、口の健康を守ることができます。
オーラルフレイルを予防することで、健康寿命を延ばし、いつまでも食事や会話を楽しむことができます。今日からできることを少しずつ取り入れ、健康な生活を送りましょう。