歯周病の初期症状は痛くも痒くもならないために気づかない人も多く
そのために歯周病は“沈黙の病気“と呼ばれているのです。
そのため、今回は歯周病の原因の復習とサインSOSについてお話します。
まずは、歯周病の原因
①汚れによるもの
歯の周りに汚れ(プラーク・歯石)が蓄積するとお口の中に多くの細菌が停滞し、歯茎に炎症が生じ腫れたりします。(痛みがないことがあります)
そして進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて動くようになります。
②噛み合わせ(かみあわせ)によるもの
歯軋り(はぎしり)、食いしばり、かみあわせの状態がよくないと、無意識に歯を頻繁にゆらしている状態が続きます。それに伴って歯周病の進行が加速し、骨が破壊されていきます。
③全身的なもの
糖尿病、血液障害、免疫異常などの全身疾患・妊娠・加齢・更年期・喫煙(タバコ)・ストレスなどの体のホルモンバランスが崩れたりすることによって抵抗力(免疫力)が低下し歯周病になりやすく治りにくくなっていくことがあります。
次に歯周病のサインSOS
当てはまる症状があれば、それは歯周病の始まりかも?!知っておこう!
◉歯と歯の隙間が広がってきて物がつまりやすい
◉歯茎が赤く、歯を磨くと出血する
◉口臭があり、膿(ウミ)が出たりする
◉歯茎が腫れている
◉歯が浮いた感じがする
◉冷たいもの・熱いものがしみるようになる
◉歯が長くなってきた(歯茎が痩せて下がるため)
『出っ歯になった気がする・・・』と感じることも・・・。
上記にあげた症状が一つでもあるようであれば、早めの受診を心がけてください!
予防法は・・・?蓄積されたプラークを取り除くには・・・?
ステップ1
患者さん自身が、日頃の歯磨きに加え、フロスや歯間ブラシ、舌ブラシを使用した“セルフケア“を行う。
ステップ2
定期的に歯医者さんでメンテナンスを受け、
セルフケアで取り除けなかったプラーク(きちんと歯磨きしても40%のプラークが残る)を除去する、“プロフェッショナルケア“を受ける。
口腔環境とウイルス感染の関係性
ウイルスがお口から粘膜へ侵入する際、お口の中の細菌が侵入を手助けしていることをご存知でしょうか?
中でも歯周病菌は特に強力で、歯周病菌の助けを借りて侵入したウイルスは、増殖して炎症などの症状を引き起こします。
“ウイルス性の感染症を予防するには、歯周病菌を減らすことが重要です“
ウイルス性の風邪やインフルエンザやコロナなどは、歯周病菌を減らすことで感染リスクを低下させる手助けとなります。
歯周病菌は、プラーク(歯垢)という細菌の塊の中に棲んでいます。このプラークは、毎日しっかり歯磨きをしていても、全体の60%程度しか除去できません。
残りの40%は、どんどんお口の中に蓄積されていきます。
この40%をいかに減らしていくか、、、ここが私たち歯科医師、歯科衛生士の仕事の一つです。
実際に、定期的に歯医者さんでメンテナンスを受けた人のインフルエンザ発症率は、
ご自宅でのセルフケアだけを行なっている人に比べ、10分の1になったとの研究結果も出ています。
歯周病を予防・治療して、口腔環境を整えることが感染症を防ぐ第一歩となります。
手洗いとうがいに加え、口腔環境のケア(セルフケア・プロフェッショナルケア)を心がけることでウイルス感染を予防しましょう。