
「最近、口の中がネバネバする」「話しづらい」「食べ物の味がよくわからない」
こんな違和感を覚えたことはありませんか?
実はその不調は、唾液の減少や口呼吸のクセが関係している可能性があります。唾液は、歯やお口の健康を守るだけでなく、味覚や消化、口臭の予防など、私たちの体を支える大切な存在です。しかし、その重要性はあまり意識されていないかもしれません。
唾液は“天然の健康サポーター”
健康な人の体では、1日に約1〜1.5リットルもの唾液が分泌されています。唾液は、口の中を潤すだけの水分ではありません。歯やお口、そして体の健康を支える、さまざまな役割を担っています。
たとえば、唾液は食事によって酸性に傾いた口の中を中和し、歯の表面にミネラルを補給することで、歯が健やかな状態を保てるようサポートします。また、免疫物質や抗菌成分の働きによって、細菌が増えにくい口内環境を整える役割もあります。
さらに、唾液は食べ物を飲み込みやすくし、口の中やのどの粘膜を守る潤滑剤のような存在です。消化を助けたり、味を感じやすくしたりと、毎日の「食べる・話す」といった動きを支えています。
唾液が減ると起こりやすいトラブル

唾液は、虫歯や歯周病、口臭の予防をはじめ、味覚や消化を支えるなど、口腔内だけでなく全身の健康にも深く関わっています。しかし、加齢やストレス、薬の副作用、生活習慣の影響によって唾液の分泌量が減少すると、こうした働きが十分に発揮されなくなります。
唾液が不足すると、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭が気になりやすくなります。また、口の中が乾燥することで粘膜が傷つきやすくなり、食事や会話の際に痛みや不快感を覚えることも少なくありません。口腔内の乾燥は、日常生活の質を下げる原因にもなります。
さらに、唾液が少なくなることで味覚が鈍くなり、「味がしない」「食事がおいしく感じられない」といった症状が現れることもあります。こうしたドライマウスの状態は、特に50代以降の女性に多く見られ、加齢による唾液腺の機能低下やホルモンバランスの変化、服薬の影響などが関係していると考えられています。
花粉症シーズンに増えやすい「口呼吸」の影響

春先になると、鼻づまりを感じる方が増えてきます。花粉症による鼻づまりが続くと、無意識のうちに鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸へ切り替わってしまうことがあります。
本来、鼻呼吸の役割は空気を加湿・加温し、異物をある程度取り除く事です。しかし口呼吸になると、乾燥した空気がそのまま口の中へ入り込み、口腔内やのどの粘膜が乾燥しやすくなります。
その結果、唾液が蒸発しやすくなり、ネバつきや不快感を感じる場面が増えてきます。こうした状態が続くと、細菌が増え、口臭の悪化につながることもあります。
「花粉の季節になると口が乾く」「この時期だけ口臭が気になる」と感じる場合、鼻づまりによる口呼吸が影響している可能性も否定できません。
唾液を守るために、今日からできること
唾液の分泌は、日常生活のちょっとした工夫で促すことができます。まず意識したいのが、よく噛むことです。食事の際は、1口につき30回を目安に、ゆっくり噛むことを心がけてみましょう。
また、会話や歌、朗読などで声を出したり、舌を上下左右に動かす体操を取り入れたりすることも、唾液分泌の助けになります。加えて、耳の下やあごの下、舌の下をやさしくマッサージすることで、唾液腺を刺激することもできます。
そして、喉の渇きを感じる前に少しずつ水分をとることや、室内の乾燥を防ぐ工夫も大切です。
気になる症状があれば、早めの相談を

口のネバつきや不快感、味の変化などが続く場合は、唾液分泌の低下を知らせるサインかもしれません。歯科医院では、唾液の量を測る検査によって、唾液の状態を客観的に確認することができます。
「年齢のせい」「一時的な不調」と思い込まず、気になる症状がある場合は、早めに相談することが安心につながります。日々のセルフケアと専門的なアドバイスを上手に取り入れながら、唾液の力を引き出していきましょう。
