
「子どもの歯並びが気になるけれど、できれば歯は抜きたくない」「大人になってからでも矯正できるの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
実は近年、歯を抜かずにあごの成長や骨の動きを利用して整える矯正法が注目されています。今回は、子どもに行う床矯正から大人の矯正方法まで、やさしくわかりやすく紹介します。
なぜ床矯正が注目されているのか?

近年、あごの発育が十分でないお子さんが増えているといわれています。その背景には、柔らかい食事が多くなって咀嚼量が減ったことや、口呼吸・姿勢の癖といった生活習慣の変化があります。
歯がきれいに並ぶためには、まず十分なあごの広さが必要です。あごのスペースが足りなければ、前歯が重なって生えたり、歯がねじれたりといった問題が起こります。その不足したスペースを成長期の力を使って補うのが床矯正です。
床矯正では、取り外しできる装置を用いてあごをゆっくり広げ、歯が並ぶ場所をつくっていきます。歯を抜いて無理に並べるのではなく、あごそのものを正しい大きさへ導くのが特徴です。
床矯正のしくみとメリット
床矯正の装置は、軽くて丈夫なプレートに小さなネジが組み込まれたもの。専用キーでネジを少しずつ調整すると装置全体が広がり、あごがゆっくり拡大します。
1回の変化はわずかですが、その積み重ねで1か月あたり約1ミリの拡大が可能です。急激な力をかけないため痛みが少なく、子どもにも続けやすい治療といえます。また、取り外し式なので食事や歯磨きの際に外せて衛生的。発音への影響も比較的少ないのがメリットです。
いつ始める?相談のタイミングは早めが正解

床矯正が適しているのは、以下のようなサインがあるお子さんです。
- 前歯が重なっている
- 噛んだときに前歯が合わない
- いつも口が開いている
- 食べ物をよく噛まずに丸飲みしている
あごの骨は6歳前後に約8割が完成し、10〜12歳で再び大きく成長します。この時期に合わせて治療を始めることで、抜歯せずに整えられる可能性が高まります。
「まだ早いかも」と思っていても、まずは相談だけでも受けておくと安心です。
矯正治療の流れをやさしく解説
矯正治療は段階的に進みます。
①相談・カウンセリング
お口の状態をチェックし、必要に応じてレントゲンや写真を撮影します。
②精密検査
歯の位置、噛み合わせ、あごの形を詳しく調べ、治療計画を立てます。
③第一期治療(子ども)
成長期を利用して、床矯正などであごを広げたり位置を整えたりします。
④第二期治療(大人・永久歯完成後)
ワイヤーやマウスピースで細かい位置を調整します。
⑤保定(リテーナー)
動かした歯が元に戻らないように固定します。
矯正は短期間で終わる治療ではありません。段階を踏んで進めることで、無理なくきれいな歯並びを目指すことができます。
大人の矯正も増えています

「もう大人だから今さら…」と思う方もいますが、最近は大人の矯正も大きく進化しています。
- ワイヤー矯正:幅広い症例に対応できる最も一般的な方法
- 裏側矯正:歯の裏側に装置を付けるため、見えにくく人目が気にならない
- マウスピース矯正:透明で目立たず、取り外し可能(1日20時間以上の装着が必要)
ライフスタイルや見た目の希望に合わせて、最適な方法が選べるのが魅力です。
矯正を成功させるために大切なこと
矯正は「装置を付ければ終わり」ではありません。日々の習慣が仕上がりを大きく左右します。
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- 装着時間を守る(取り外し式の装置は特に重要)
- 丁寧な歯磨きと清潔管理
- 通院間隔を守る
特にお子さんの場合、家族からの声かけが継続の鍵になります。毎日の小さな積み重ねが、美しい歯並びを作る大切な一歩です。
まとめ|歯を抜かずに整える新しい矯正スタイル
床矯正は、成長の力を利用してあごの発育を助けながら歯並びを整える方法です。早めに開始することで、将来的に抜歯を避けられるケースも増えます。大人の矯正も選択肢が広がり、見た目や快適さを重視した方法が多数登場しています。
「子どもの歯並びが気になる」「大人でも矯正したい」そう感じたら、一度歯科医院で相談してみましょう。年齢やお口の状態に合わせて、無理のない最適な方法を提案します。
