「うちの子、もう4歳なのにまだ指しゃぶりしてる…大丈夫かな?」「前歯に黒い点が…もしかして虫歯?」
お子さんのお口を見て、こんな不安を感じたことはありませんか?
乳歯から永久歯への移行期は、見た目では分かりにくいトラブルや、つい見過ごしがちなサインが隠れています。
まずは簡易チェック!
- 6歳臼歯が磨けているか
- 虫歯や変色はないか
- 指しゃぶりが4歳以降も続いていないか
1つでも気になる項目があれば、ぜひ本文で詳しい理由や対策を確認してください。
第1章:乳歯と永久歯の生え変わりを知る
乳歯は全部で20本あり、生後6か月ごろから少しずつ生え始め、3歳前後でほぼそろいます。この乳歯の時期は、噛む力や発音、あごの成長など、お口と全身の発達に深く関わる重要な期間です。
6歳ごろになると、まず6歳臼歯と呼ばれる奥歯が乳歯のさらに奥から生えてきます。生え始めは低い位置で歯ぐきに覆われていることも多く、歯ブラシが届きにくいため虫歯になりやすいのが特徴です。その後、前歯や小臼歯、犬歯、第二大臼歯の順に生え変わり、一般的には12歳前後で永久歯がそろいます。
ただし、生える時期や順番には個人差があるため、「片方だけ遅い」「形が違う」など気になる場合は早めに歯科で確認すると安心です。
第2章:乳歯の虫歯は放置NG
「どうせ抜けるから」と乳歯の虫歯を放置することはおすすめできません。乳歯は将来生えてくる永久歯が正しい位置に並ぶよう導く役割を担っています。虫歯でボロボロになればその機能が果たせず、永久歯がずれた位置に生えたり歯並びが乱れたりする原因になります。
さらに、虫歯が神経まで進行すると、発育中の永久歯に影響し、形成不全や変色を引き起こすこともあります。噛みにくさから柔らかい物ばかり選ぶようになれば、あごの発達や発音にも悪影響が及びます。
第3章:子どもの歯が黒い=虫歯とは限らない
黒い点や面が見えても、必ずしも虫歯とは限りません。例えば、チョコレートやココア、ぶどうジュース、鉄分を含むシロップなどによって歯の表面に色素が沈着し、黒く見えることがあります。
さらに、転倒や衝突などで歯をぶつけると神経が損傷し、内部から徐々に黒く変色することもあります。また、虫歯の進行を抑えるサホライドという薬を塗布すると、歯が黒く変色する場合もあります。
こうした変化は見た目だけでは判断が難しいため、自己判断せず必ず歯科医院で原因を確認しましょう。
第4章:指しゃぶりは自然な行動。でも長期化は注意
3歳くらいまでは、指しゃぶりを無理にやめさせる必要はありません。指しゃぶりは赤ちゃんにとって安心感を得たり、気持ちを落ち着けたりする自然な行動だからです。ただし、4歳を過ぎても頻繁に続く場合は、出っ歯や上下の歯にすき間ができる開咬など、歯並びやかみ合わせへの影響が懸念されます。
やめるときは叱らず、入園・入学・誕生日など生活の節目をきっかけに前向きな声かけを行いましょう。カレンダーにシールを貼る、寝るときに手袋やぬいぐるみを持たせて口に指が入りにくい環境をつくるのも有効です。
また、指しゃぶりが甘えや不安のサインの場合は、スキンシップや会話を増やして安心感を与えましょう。
まとめ
乳歯の生え変わり期は、お子さんの将来の口腔環境を左右する重要な時期です。小さな変化を見逃さず、家庭でのケアと定期検診を続けることが健康な歯を守る近道です。日常的に以下のポイントを確認し、異変があれば早めに歯科で相談しましょう。
- 6歳臼歯が奥歯までしっかり磨けているか
- 虫歯や黒い点、変色がないか
- 指しゃぶりが4歳以降も続いていないか
- 生え変わりの時期に左右や上下で差がないか
- 噛みにくさや発音の変化がないか
毎日のちょっとした観察とケアが、お子さんの将来の歯並びや口の健康を守ります。今日からできることを少しずつ積み重ねていきましょう。