歯の治療を受けたあと、「これから何に気をつければいいの?」「仮歯って普通に使っていいの?」「神経を取ったらもう安心?」といった疑問を感じたことはありませんか?
実は、治療後の過ごし方次第で、補綴物の持ちや治療の効果が大きく変わってきます。今回は、治療部位ごとの注意点をまとめました。今まさに治療中の方も、これから治療を受ける方も、ぜひチェックしてみてください。
1. 前歯の治療後は「見た目」だけでなく「使い方」にも注意
前歯は、笑ったり話したりするときにもっとも目立つ場所です。顔全体の印象にも影響を与えるため、治療には見た目の自然さが求められます。
セラミックなどの被せ物は、天然の歯に近い透明感や色調を再現でき、美しい仕上がりが特徴です。一方で、素材が陶器のように繊細なため、扱いには注意が必要です。
たとえば、せんべい・氷・乾いたパンの耳などの硬いものを前歯で噛んだり、袋を歯で開ける、ペンを噛むなどのクセは、被せ物を傷つけたり欠けさせたりする原因になります。
また、歯ぎしりや食いしばりのある方は、就寝中に無意識の力がかかることで被せ物が壊れてしまうことがあります。この場合はナイトガードの使用が効果的です。普段の食べ方やクセを見直し、丁寧に扱うことが、被せ物を長持ちさせるコツです。
2. 奥歯の治療後は「噛む力」への対策がカギ
奥歯は、食事の際に最も大きな力がかかる部位です。そのため、補綴物を装着した当日は、接着剤の硬化を妨げないよう、最低でも1時間は飲食を控えましょう。
治療後1〜2日は、ナッツ類やキャラメル、せんべいなどの硬いものや粘着性のある食品は避け、やわらかいものを選ぶのが安心です。さらに、装着後に噛み合わせに違和感がある場合や、痛みが続く場合は、無理せず早めに歯科医院に相談してください。
3. 歯ぐきの治療後は「傷の保護」と「安静」が最優先
歯ぐきの手術後は、出血や腫れを悪化させないよう、安静に過ごすことが大切です。激しい運動、長時間の入浴、サウナ、アルコールの摂取は、血流が促進されて症状が悪化するおそれがあるため控えましょう。麻酔が効いている間は感覚が鈍く、舌や頬を噛んでしまうリスクがあるため、食事は控えるのが安全です。
歯磨きはやさしく行い、手術部位は避けてケアしてください。出血が長引く、痛みが強いなど異常がある場合は、早めに受診しましょう。
4. 神経の治療後は「通院の継続」が非常に重要
神経を保護する治療を受けたあとは、冷たいものや熱いものに一時的にしみることがありますが、通常は2〜3週間ほどで落ち着きます。
ただし、ズキズキとした強い痛みが出てきた場合は、神経に炎症が起きている可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。また、神経を取り除く根管治療を行った場合は、複数回にわたる通院が必要です。
途中で治療をやめると、再感染や最悪の場合は抜歯につながることもあるため注意が必要です。
5. 仮歯を使っている期間こそ「扱い方」と「清掃」がカギ
仮歯は、見た目や会話・食事に配慮しながら治療を進めるための一時的な補綴物ですが、素材はプラスチック製で耐久性が低く壊れやすいという特徴があります。
日常生活で笑ったときに唇や舌が強く当たる、頬杖やうつ伏せ寝のクセがあると、仮歯に負担がかかり、ぐらつきや破損の原因になります。また、周囲の清掃はタフトブラシややわらかい歯間ブラシを使って、やさしくケアしましょう。清掃が不十分だと、歯ぐきの炎症を引き起こすこともあるからです。
もし仮歯が外れてしまった場合は、放置せず早めに歯科医院に連絡をしましょう。見た目だけでなく、最終的な補綴物の精度にも影響するため注意が必要です。
6. 治療の中断は「無症状でも危険」が潜んでいる
「痛みがなくなったから」「忙しくて…」と治療を途中でやめてしまうと、見えないところで虫歯や炎症が進行していることがあります。
特に神経を取った後や仮歯のまま放置することはおすすめしません。再感染や歯の移動が起こりやすく、最終的なかぶせ物が合わなくなるリスクがあるからです。治療が一見終わったように見えても、最後までしっかり通い切ることが大切です。
まとめ
歯の治療は、終わったあとが本当のスタートです。治療後の過ごし方や日々のケアが、補綴物の寿命や歯ぐきの健康、そして再発防止に大きく関わってきます。
今回ご紹介した内容に該当する治療がある方は、ぜひ今日から意識してみてください。そして不安なことや気になることがあれば、歯科医院へ相談するのをためらわないでくださいね。