今回はメインテナンス(プロフェッショナルケア:以下プロケアと略)について具体的に説明します。
①メインテナンスとは?
治療してキレイになったお口の中を“長時間維持する“には、治療後のメインテナンスが必須です。
患者さんご自身が行うお家でのホームケア(セルフケア)と
歯医者さんで行うプロフェッショナルケア(プロケア)を合わせてメインテナンス
歯周病に対するメインテナンスのない場合は、約5年で2本の歯が喪失します。
②メインテナンスの目的は?
☆治療効果の維持
☆病気の再発防止
☆病気の進行停止
☆病気の進行遅延
③メインテナンス(プロフェッショナルケア)では何するの?
1.体調・生活習慣の変化を問診
2.お口の中の検査
歯周ポケット検査・動揺度の検査
口腔内写真撮影(1年に一度を目安に必要なときに)
レントゲン撮影(2年に一度を目安に必要なときに)
3.ホームケア(セルフケア)におけるプラークコントロールのチェック
お家での歯みがきポイントを再度確認・指導します。しっかり磨いていても、歯と歯の間の間や奥歯の後ろ側などは磨くのはとても難しく、磨き残しができてしまいます。
毎日のブラッシングができているか、当院では染色などを行ってチェック士、患者さん一人一人に合わせたケア方法をご提案します。
4.むし歯のチェック
むし歯予防のために、食生活・フッ素使用・その他のホームケアについてのお話と確認。新しいむし歯ができていないかチェックします。
早期発見・早期治療に一番効果的です。
むし歯の治療をして、詰め物やかぶせ物を入れたからもう大丈夫!ということはありません。
詰め物はすり減ってくる・歯と詰め物との境目から新しくむし歯になる・歯と歯肉のラインが下がり、かぶせ物のふちから歯の根っこが出てくるなど、お口の中は変化しますが、自分では気づきにくいため、定期的な歯医者さんでのチェックが必要です。
5.歯石除去
歯石がついている場合は歯石除去をします。また、歯周ポケット内の清掃をします。
6.PMTC
プラーク(歯垢)を除去し、細菌叢(細菌の塊)をなくす。機械を使って歯のクリーニングをします。
7.むし歯のリスクの高いところへのフッ素塗布(むし歯予防:小児の場合)
8.知覚過敏・義歯・インプラント周囲の処置(必要時)
9.かみ合わせのチェック→とても大切です!
④メインテナンスの間隔は?
プラーク中の細菌は約4ヶ月で病原性が増加するという報告があります。
“患者さんひとりひとりのセルフケアの熟練度や歯周病やむし歯のリスクに合わせて期間を決めます“ 一般的には3〜4ヶ月ごと。
リスクにより、1〜6ヶ月ごとにメインテナンス。※唾液検査をすることによってご自身のリスクを知ることができます。
⑤メインテナンス1回にかかる時間は?
“基本的に45分“です。歯科衛生士が担当します。最後に院長のチェックがあります。
むし歯よりも怖い歯周病は、進行が進むと、歯を支える骨を溶かします。その結果、もし歯自体がむし歯がなく健康であっても歯が抜けてしまいます。歯を失うと噛む力が弱まったり食欲を失い栄養に偏り(かたより)がでることがあります。栄養に偏りがでたり、低栄養になると様々な病気にかかりやすくなります。
また、歯周病の菌が血液に溶け込み体内をめぐると様々な病気を引き起こすこともあります。
歯周病は一度かかってしまうと完治はしません。セルフケアとプロフェッショナルケアで予防をしたり、進行を食い止めることがとても重要です。